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 自分を抑えられる時に終わらせないと、やめられなくなりそうで怖い。  なのに有希は抵抗すればするほど楽しそうで、ロックを外してくれず……結局廊下で靴音が響いて聴こえてくるまで五分ほど解放してくれなかった。  その靴音はナースのもので、この部屋への用ではなかったのか、隣室の方へ素通りしていった。  慌てて頭を腕から引き抜くと、ゆるふわのミディアムボブがぐしゃぐしゃになってしまい、麻衣美は真っ赤になって有希に抗議した。 「もうっ!なんてことしてるんですかっ!今はダメって言ったじゃないですか!」 「うん、そうね。だって止まんなくて」 「だってじゃなくてっ!その……気持ちは分かりますけど」 「はいはい。じゃ、続きは帰ってから。うちでやりましょ」 「そうそううちで……って、え?」  言葉のニュアンスに戸惑って、麻衣美は言葉を詰まらせた。 「え?え――――っと……」  まさか。  真っ赤になったままで突っ立っている麻衣美に、有希が蠱惑的に微笑む。 「そ、うちに引っ越して来なさいな、麻衣美。隣町で店長になってから同棲って話はしてたけど、それまで三ヶ月、待てないでしょ」 「え………う、あ、はい……はい……っ!」  どうしよう。夢みたいだぁ………。  有希先輩と、同棲。  考えただけで頭がショートしそう。
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