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 結局二泊三日で実家に泊まることになり、麻衣美は二回分の着替えやら身の回り品を持参して実家に帰省した。  麻衣美がガラス戸から顔を出すと、待ってましたとばかりに母は喜色満面で出迎えた。  義父はと言えば、「たまには実の親子水入らずで、二人でゆっくり話すといい」と気の利いたことを言って、奥の書斎に引きこもっているとのことだった。  義父が顔を出さない、ということに、麻衣美は心の底からの安堵を感じた。  そして実際、母と久しぶりに親子水入らずで話をした。  義父が隣にいなければ、母は昔と変わらず可愛らしいキャピキャピとした母だった。  事件のことをだいぶ端折って伝えた後は、仕事の内容や交友関係に話が及んだ。 「麻衣美ちゃんもいい歳なんだから、もう彼氏とかいるんでしょう?」 「ん?うーん、うん。そうだね。そのうち……紹介するね」 「あらホント?やだあ、やっぱりいるのねえ!どんな人?どんな人?」 「えっと……」  有希先輩を生涯の伴侶にすることは決めているものの、母にそれを伝えるのはまだ時期尚早な気がし、麻衣美ははぐらかすに(とど)めた。  いつかは報告しなければならないだろう。  私が決めた人なら、きっとお母さんは反対しない。
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