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 百七十を越える身長の有希は、雑誌で読者モデルの経験があるほどのスタイル抜群の美形だ。高校までサッカーをしていたこともあり、ボーイッシュな雰囲気も兼ね揃えている。  それに比べて麻衣美はと言えば、身長は百五十そこそこのチビで童顔。胸こそ多少あるものの、髪を巻いたり、メイクをきっちりとしなければ、中学生と間違われる程幼い容姿だった。  同性とはいえ、キスでもされそうな立ち位置が数秒も続くとドキドキし始めてしまう。  有希は女性ではあるがショートカットで、恐らくメイクをしていなければ見ようによっては中性的な美男子にも見える。  動揺し、目が泳ぎだした様子を見て有希が思わず「ぷっ」と噴き出し、麻衣美はプウッと頬を膨らました。 「ちょっと何ですか?もう!人の顔をいつまでも……いい加減、顎から手をどけて下さい!」 「ごめんごめん。いや、やっぱり可愛いなと思って」 「は?」 「麻衣美のすっぴん、いいじゃないの。初めて素顔をまじまじと見たけどさぁ。きめ細かくて良い肌してるわよ。色白もち肌、美味しそう。今は顔色が悪いから何だけど、素地は悪くないわ。普段からすっぴん度高めでもいけそうじゃない」
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