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2-6
「麻衣美!!なんでこんなことをっ!!」
仕事を強引に切り上げて帰宅した要二朗は、ドアを開けて早々にダイニングで血まみれになっている麻衣美を発見し、その身体を抱き起こした。
「………あ、て、手錠、を外そうと思って。そしたら……」
ランチ用に準備されていたフォークとナイフを見た時、ナイフだったら手錠の鎖に傷を付けられないだろうかと思った。けれどそもそもナイフを握る手は手錠で拘束されている。
外したいけど外せない。
鎖を切りたいけど、なかなかそこに狙いを付けられない。
それでも何度もチャレンジした。
そのうちに、手元が狂った。
鋭利なナイフが親指の下の皮膚を抉り、悲鳴を上げたがどうしようもなかった。
痛みとイライラに絶望のスパイスが加わり、一瞬、麻衣美の中の何かが切れた。
そして思った。
手錠が解けないなら、手首を細くすればいいじゃない。
それからザクザクと手首や小指の下の月丘に刃先を突き立て、皮膚を削り取る作業に没頭した。
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