◇01. おれと一緒に住みなさい【◇=萩原凛歩視点】【第一部】

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 とわたしは若さにかまけて高を括っていたのだが、翌日、思いもよらぬ事態に見舞われる。  * * *  金曜日のお昼前の会議なんて超ダルい。ダルすぎる。誰だこんな時間に毎週ミーティングの時間なんか設定したやつは。……仕方ない。まぁ、わたしは、営業事務だし。こうやって、毎週、会議で、各営業担当の報告を聞くのも大事な仕事……なのだが。  うう。案の定、朝寝坊をして、朝は、オールインワンにファンデを強引に重ねて、眉を描くので精いっぱいだった。よってこのタイミングでミーティングとかうう。拷問に等しい。勿論トーストを食べる暇もなかったし。うう。お腹が空腹すぎて辛いよぅ。 「えー続きましては次の営業報告です。三木沢(みきさわ)さん。お願いします」  ぐぅう。  とここでお腹が盛大に鳴った。ううう恥ずかしい。誰かが発表していたならわたしの轟音は隠されるけれど。タイミングが悪いことに、課長の司会と、三木沢さんの発表の合間だった。ド派手にやらかしました。わたしは、配られた資料に目を向ける。……うう。誰も見てこないでー。
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