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苦行のようなミーティングがようやく終わり、会議室にて、紙コップとかの後片付けをしていると、
「……萩原くん?」
――課長だ。どうしたのだろう。と、思った瞬間に、一瞬、立ったまま、眩暈がした。――ぐらりと。視界が、ぶれる。
「大丈夫か萩原くんっ」駆け付けた課長に、抱き……支えられていた。ううう。頭が真っ白で回らない。言葉を出せないわたしを、下から覗き込んだ課長は、
「――ひとまず医務室まで運ぶよ。ちょっと……我慢して」
え。え。……と言っている間に、あっという間に、わたしは、課長の手で、姫抱きにされていた。沸騰しそうな頭の中で単語が爆ぜる。「いやあの……恥ずかしいです。課長……」
「顔色が悪い。すこし――黙っておけ」
そうして、周囲の目が集まるのも構わず、瞬く間に、課長は、わたしを、医務室へと運び、ベッドで寝かせてくれた。
* * *
「――おい。昼だぞ。起きろ」
声がしたのでぱっ、と目を開く。そして、身を起こすと、顔が歪むのが分かった。うう。お腹ペコペコだ辛い……。すると課長が、
「腹、減ってんだろ? おれの弁当でよければ、食え」
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