悪女は異世界転生します。

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朝起きたら、8時過ぎていた。 「ヤバイヤバイヤバイ、遅刻、遅刻ぅ!」 ああもうなんか、漫画感半端ない! いや、今はそんなことどうでもいい! 私は、光の速さで化粧を整えると、転げるように走っていった。 勤め先のキャバクラまで二キロ。 それまで、私は走らなければならない。 それにしても走りにくい。 だって、今の格好は、やたらと露出の多い服装やハイヒール。 そして、日本人形かっ?!というほどの濃い化粧。 だけど私は、商店街まで走りついた。 あと一キロというところだろうか? めちゃくちゃ視線が半端ない。 幼稚園児は、親に目を塞がれ「あんな服装の人、見てはいけませんっ」と言われ、中年のオジサンは気持ち悪い視線をこちらによこす。 「見るなあーーー!!!」 と叫べば、丁度登校している小学生に「ヤバくね」と言われる始末。 遠くでは、「この私に一票を!」と演説の声。 今は梅雨の時期。 湿った空気が顔を打ち付ける。 私は全力でキャバクラまで走った。
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