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そして、途中でスクランブル交差点のような大きな交差点に差し掛かったとき、信号がチカチカ点滅している。
でも、仕事に遅れるのが恐怖で、走った。
「…お嬢ちゃん、危ない!!」
「きゃあぁぁぁ!」
と悲鳴のような叫び声が聞こえてきた。
どうしたのだろうか。
しかし、私は次の瞬間、現状を知った。
視界に白い物体が姿を現した。
──トラック?!
私は、その迫り来る恐怖に足が動かない。
ああもう死んだ。
はい、死んだ。
神様、来世はお金持ちで幸せな家庭に生を受けさせてください。
ドンと鈍い音が、街に響く。
伊東鈴の人生は幕を閉じ…………………………………
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