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……ませんでした。
目を覚ますと、見慣れない天井。
木製の匂いがする。
「…あれで死ななかったとか、私、強運過ぎない?」
私は、呟きながら辺りをキョロキョロ、見回した。
……狭い部屋に埃っぽい空気。
薄暗くて、生気を感じない。
「ここ、…病院じゃないとかあり得る?」
さっきから私は誰と喋ってるのだろうか。
私は、体を起こす。
ミシミシとベッドが唸るような音を立ちながら、地面に足をくっ付けた。
しかし、
「…冷たっ」
床は氷のように冷たく、裸足で歩くのは困難だった。
何これ。
足にはふわふわしたネズミ色の埃が、たくさんついてしまっていた。
しかも、臭い。
生ゴミを一ヶ月もの間、放置したような臭さ。
私は、この状況を理解できてはいないが、取り敢えず部屋を出て状況を聞くことにした。
「…冷たいな」
靴やスリッパの一つも見当たらないから、仕方なく裸足。
ギィと木製の古めかしいドアを押し開けてみるが、人気がない。
病院じゃないの?!
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