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じゃあ、ここはどこ?!
落ち着け、伊東鈴!!
まず、事故に遭ったはず。
トラックに…。
なのに、怪我の一つもない。
仮に、意識が戻るのが遅かったとして、すぐにこんな動けるのはおかしい。
「ムムムッ、謎が多すぎるわね」
私は、廊下の真ん中で考え込んでいた。
すると突然、背後からガシャンっと物を落としたような音が聞こえ、ビクリと肩が動く。
お化け…なの?
ねえ、お化けなら返事してよ。
怖くて振り返れないじゃないの。
私は、キャバクラの接待で相手が60代のデレデレオッサンだったときよりも、心がどうしよう…!どうしよう…!と叫んでいる。
うるせえなってくらいにっ!
でも、私は振り返った。
すると─────
「っキャアァァァァァ!」
「…ひゃあぁぁぁぁぁ!」
前髪の長い、……女の人!!?
向こうも叫んでる?!
おい!おいおいおいおい!
なんで、私を見て叫んでるの!!?
ってか、何よ。
そのボロボロな格好はっ!
ボロ雑巾のような服装。
日本ってこんなに貧困だったかしら?
「なに叫んで……」
「…ミラ、目覚めたのねっ!?」
なに叫んでるのよ…と言おうとしたが、上からかぶせられてしまった。
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