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「おっ! 少し小雨になってきたな」 「佐葵」 「ん?」 「…ギュッてしてくれる?」 「?!」 「ダメ?」 「嫌、急にどうしたの?」 「佐葵がビックリするかと思って」 「うん、ビックリはしてる」 「フッ なら、成功かな」 「で? 抱きしめていいの?」 「え?」 真葵が呆気に取られた顔をしていると、佐葵は遠慮なく抱きしめてくる。 「佐葵って、こういうの照れないの?」 「真葵は照れてるよな」 「当たり前でしょ? 付き合った人居ないんだから」 「一途なんだな、真葵は」 「…! もう、離れる」 「やだ」 「佐葵は狡い… 私を誂って楽しんでるでしょ?!」 「誂ってないよ? 付き合うってこんなの当たり前だよ」 「…もぅ、佐葵のおバカ」 真葵がムッとした表情で睨んでいると、佐葵はフッと微笑む。 「真葵、その顔わざと?」 「え? 怒ってるんだけど?!」 「上目遣い可愛いだけだよ、たくっ」 佐葵はフッと微笑むと、真葵から離れるとサンドイッチを開けて食べ始めた。 「…佐葵」 「ん? 真葵も要る?」 「…佐葵はいつの間に私好きになったの?」 「高3ぐらいかな? 真葵は急にモテだしたから焦ったな」 「…! そうなの?」 「うん? まあ、初恋は俺も真葵だけどな」 「でも、彼女居たよね? それは…」 「中学でしょ、それ?」 「そ、そうだけど… やだったもん、アレ! 可愛い子だったし」 「フッ なぁーんだ、妬いてたんだ?」 「だ、だって… 佐葵を好きなのは絶対私が一番だったもん」 「ふぅん? 真葵超可愛いんだけど?」 「…佐葵が彼女作るのやだったもん! 仕方ないでしょ?」 「フッ 真葵、スゲー独占欲だな」 佐葵がそう告げると、真葵はまた顔を真っ赤にして照れくさそうにする。
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