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「真葵、俺好き?」
「…当たり前でしょ?
小さい頃から好きだもん」
「フッ
やっぱり真葵は可愛いな」
「それ、ちょうだい?」
「ん?
あー、ネックレス」
「佐葵、いつもしてるでしょ?
代わりにこのピアスあげる」
「え?
これって、確かいつか買うの付き合った時のじゃん?」
「うん?
でも、佐葵は彼女作ったから渡すの諦めたの…」
「ふぅん?
なら、片方は真葵付けてよ?」
「え?」
真葵がビックリしていると、佐葵の指先が耳朶に触れるとピアスが装着されていた。
「佐葵にあげる用なんだけど?」
「ほら、これでお揃い」
「…そ、そうね」
真葵は確かにお揃いだなっと感じて頷いていたが、佐葵はフッと微笑む。
「あ、雨上がった」
「本当ね!
それじゃ、再開しますか」
「真葵は元気いっぱいだな」
「うんっ
散策って楽しいじゃない」
「迷ったらまずいから目印付けて行こう」
「この木は目立つから目印にはなるかもね?」
「真葵が迷子になった際にはこの木に集まれば大丈夫だな」
「佐葵は真面目だなぁー
もっと楽しまないとダメだよ?」
「ほら、手繋いで進むぞ」
「…うん、そうだね」
真葵は照れくさそうに手を伸ばすと、ギュッと大きな手に掴まれてビックリしていたが嬉しそうにしていた。
それから目印を間隔を空けながら付けていっていたのだが、佐葵は立ち止まるとこう告げる。
「うーん?
この道さっきも通ったよな」
「え?」
「何だか、さっきから景色が変わってない」
佐葵は携帯の録画ボタンを止めてからそう告げると、突如として一軒の館が出現した。
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