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「佐葵、邪魔してるぞ?」 「港、来てたのか?」 「おぅ? 気を利かせて先にサークルから帰ったのを褒めてくれてもいいぞ?」 夏野 港はニッと笑うと、佐葵はフッと可笑しそうにデコを小突いた。 「たっ?!」 「サークルサボったのはダメだろ?」 「佐葵と真葵に気を遣ったんじゃん? 美葵も一緒に帰ったんだし」 「全く、変な親友を持ったものだな」 「つーかさ? 森に散策って、やめたほうが良くない?」 「何故?」 「ほら、お前だって噂聞いてるだろ?」 「あぁ、それな」 「だから、心配してんじゃん?」 「何かあったら助けに来てくれたらいいじゃん?」 「人間が行けないテリトリーだったら無理じゃん? まあ、探すとは思うけどな」 「ん、期待してる」 佐葵はフッと可笑しそうに笑うと、準備をして重装備に着替えていた。 「つーか、夏なんだから無茶して倒れるなよ? 水分は多めに持っていけよ」 「港さ? 美葵ちゃん、好きだろ」 「?!」 「バレバレだぞ? 態度でわかるしな」 「…うん、好き」 「いっつも喧嘩腰だが、愛情の裏返しだろ」 「美葵とはさ? 波長が合うんだと思う」 「似たもの同士なんだから当たり前だろ?」 「…だな」 港は何やら決心したのか、玄関を出ると星風家へと向かおうとすると美葵も出てきた。 「…港」 「美葵」 「フッ やっぱり息ピッタリ」 「真葵、準備できた?」 「うん、大体ね? 佐葵は?」 「うん、出来てる」 「登山家みたいだね、私達」 「まあ、夜は冷えるから念には念をな」 「だね」 佐葵と真葵がそんな風に話していると、美葵と港は同時にこう告げる。
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