お尻になった媒体（エッセイ）

大沼晶保

前回の続きを少し。

「櫻坂４８、メンバーのうち、５人が感染」その為、富士急ハイランドで行われるライブは中止になったと、ネットニュース。
で、感染したメンバーの写真が画面に四分割で並んで。

四分割？感染したのは５人なのに。

４人。

一人いないじゃん。それはないと思うよ。

そこになかった写真のメンバーは、大沼晶保。

櫻坂４６はメンバーの選抜制を取り入れており、全２０名程のメンバーの内、曲によって替わる１４名でパフォーマンスをする体制を取っている。
メンバー全員でやればいいじゃないか、と思うけれど、運営は運営で考えるところがあるのだろう。結局常に、楽曲からあぶれてしまうメンバーがいる。

いつも楽曲に参加している他の４人とは違って大沼晶保は、その常連。

でも。

普段はぼやっとしたどっちつかずのたたずまいの彼女が、センターに立つと何かが憑依し、狂気そのものとなって踊り狂う。その時の姿を、安易に四分割写真を作ってしまった編集者は知らないはず。

「死ぬことなんて全然怖くないんです」
と言い放つ沼津の漁師の娘。

バックスライブは、運営が考えた中で最も素晴らしい企画だと思う。
バックスライブは楽曲に参加出来たりできなかったりするメンバー主体に行ったライブ。どのメンバーも必ず一曲はセンターを任せられる。

その中でも、大沼晶保のパフォーマンスは瞠目に値する。
これだからきっと、自分は櫻坂４６に魅せられているんだと思う。

大沼晶保はこのグループの極北。

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