127人が本棚に入れています
本棚に追加
「ライブ始まるっちゃー!」
「急げ急げ」
タイチと一緒に裏通路をダッシュして仲間が待つアリーナ席へ。
「にしてもこの曲聴いた事あるね」
「マイケルジャクソンだからなー」
「マイケルジャクソン呼んだん?」
「呼べるもんなら呼びたいわ」
今年のライブのテーマはザ・ポップスだ。今は亡きキングオブポップス、MJの超有名曲の長いイントロが終わる前に滑り込むぞ!
「ボスー! タイチー!」
「ここです!」
「ミーチャ! レオナルド久し振りー!」
西川家の子ども達と軽いハグを交わしながら着席。外気は凍りつくほど寒いが熱気がすごい。注目のステージ上には赤いハットを被り赤いスーツを着た8人のMJとゾンビがいっぱい並んで踊っている。怪しげな紫と赤のライティング、ステージを包んだスモークがムード満点だわ。新年なのにまるでハロウィンだわ。スタジアムの観客も盛り上がってるぅ♡
「うわーマイケルさんが大量発生で甦っとる」
「ふふん、カッコいいだろ」
「トモさんあっちにおるし、やっぱJIBじゃなかったか」
「ふふーん」
事前に言っておいた通りオープニングアクトはJIBじゃない。JIBじゃないものの別口の西川くん全面プロデュースでアル。(俺はタイチに嘘は吐かんのだ)
西川天羽の音楽のルーツ、20世紀のアメリカンポップスを堪能できるステージ構成になっている。
メインを張るアーティストは日本発のアイドルユニットだ。会場中のスクリーンには彼らの顔面が時折大写しになる。
「─────あ! あの人、柊のドキュメンタリーのインタビュアー!」
「正解♡」
碓氷村の夏フェスでデビューを飾った『Lost Child』
CMとのタイアップ(俺のタイチも出演したカップ麺のやつとか)もあって瞬く間に人気に火が着き日本はじめアジア圏で活躍中だ。彼らはエッジが抱えるタレントの中でも戦隊ヒーローものやライダーものに出演していたイケメン達で歌良しダンス良しスタイル良しなんだから凄い。しかもその上、西川くんプロデュースと来れば全米進出を目指すのだって最早夢じゃないワケで。
「ユニット発足当初は天羽にここまでの期待はなかったんですが⋯⋯」
「西川くんのプロデューサー魂にも火が着いちゃったんですねー」
「そのようです」
東海林さんは苦笑いだけど心の中では燃えているに違いない。今夜のステージは世界中から注目の的だし、今頃ネット上でも『Who are they!?』とザワついている事だろう。

最初のコメントを投稿しよう!