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『お、百合ちゃん、学校に行くのかい?』
私の住んでいるアパートの大家さん。
神様の細工で、私が初めから住んでいる事になっています。
「はい。行って来ます!」
私は、微笑んで言いました。
腰まで伸ばしたさらさらの黒髪、ぱっちりとした二重の大きな瞳、無駄な肉の無い小顔、鼻は高く口は小さめだけれど、すらりと伸びた長い手足…。
すれ違うと誰もが振り向いてしまう…そんな絶世の美女の姿を神様に頼みました。
予想以上に、私、可愛くして頂きました。
『えっ、あの子何年生!?あんな可愛い子、うちの学校に居たっけ!?』
『すっげー、可愛いんだけど!!』
聞こえないふりをします。
表情は変えないようにしましたが、内心はすごくすごく嬉しいですっ。
あの人も、私の事を少しでも気にとめてくれたらいいのに…。
…ダメ…私は『人間ではない』のだから。
そう思いました。
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