最終章 この恋の終わりのその先に

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「最初は、職場の付き合いって言ったんだ」 「うん」 「でも、すぐにバレた。サラリーマンじゃないんだからそんなのある訳ないって」  朋也はそう言うと小さく頭を抱えた。そんな親友の姿を見ながら翔太は、こればかりは彼の自業自得じゃないかと思った。  あの激務の後で堂々と遊びに行く朋也が体力お化けなのはともかく、真菜さんと付き合っていた頃は、大学の先輩に誘われて通っていた通いがキャバクラ通いがバレた朋也は結婚後はもう行かないと彼女に誓った。だが、それを守ったのも結婚した数年間だけで今じゃ仕事のストレス発散と謳って月に一度は夜の街で遊んでいるらしい。  とは言っても朋也も翔太と同じオンオフがはっきりしてるタイプだから月に一度くらいは自由にさせてあげても良いんじゃないかと思う。だが、その月に一度ですら女の人からしたら嫌で嫌でたまらないのだろう。 「翔太、俺へのペナルティなんだったと思う?」 「小遣いが減らされた、とか?」 「それもあるけど、このカード以外全部没収された」 「じゃあ、そのカードはなんで持ってんの?」 「車の中に忘れてたから。あぁ、もうなんで女ってそんなことでいちいち怒ってくるんだろ」  そう言いながら朋也はまたポテトに手を伸ばした。 「そっちだってテレビのアイドル見てキャーキャー言ってんのにな」 「真菜さんってアイドル好きなの?」 「らしいぜ」  朋也はそう返すと、今人気の男性アイドルグループの名前を挙げた。  メンバーが自分達と同世代のそのグループは、デビュー当時から大人気で翔太の同僚の女性にもファンが何人かいた。とにかくメンバーのビジュアルが良いらしく、メンバーが出演する映画やドラマはほぼ確実にヒットするらしい。実際、メンバーの1人が翔太の好きな映画に出演してたこともある。 「でも、女子もそう言う人多いと思うけど」 「でも、俺は嫌なんだよ。人のこと言えねーのは分かってるけど」  朋也はそう言ってため息をつくと、「独身はいいよなぁ」と呟くように言った。
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