変わらない毎日

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洸太を幼稚園へ送ってから、近所の雑貨屋さんにきた。 前のお弁当箱もここで買ったから探してみたら、前のと同じメーカーの同じシリーズのものが売っていた。 全く同じ形ではないけど、ちゃんと一段だし使いやすそう。 お弁当箱を買いに来たのに、ついかわいい雑貨に目移りしてしまう。 ヘアアクセサリーに目がいった。 ガラスの棚にディスプレイされた可愛くて綺麗な商品を見ているとそれだけで心が潤う気がする。 最近は「楽だから」と胸まである髪を後ろでまとめてお団子にしている。 特にアクセサリーはつけないけど、 一つくらい買っちゃおうかな…。 いろいろ物色していると子供用のヘアアクセがあった。 大人のものと違ってカラフルでかわいいものばかり。 娘がいれば一緒に選んだりするのかな…。 娘にはゆうちゃんはどんなパパになるんだろう。そんなことを考えるだけでも楽しくなってしまう。 星形のヘアゴムがあった。 半透明でピンク、ブルー、パープルとあった。 摘みあげると照明の光を透き通してキラキラと瞬いた。 マナちゃんのゴムは綾ちゃんが選んであげたのかな。 綾ちゃんもママなんだよね。 夕涼み会で、マナちゃんと楽しそうに喋ってた。 次の日はマナちゃんと一緒にアイスを食べてたって。 あの夜、顔ははっきり見えなかったけど、きっと優しいママの顔でマナちゃんを見てたんじゃないかな…。 今の綾ちゃんにとってゆうちゃんはどんな存在なんだろう。 ゆうちゃんは綾ちゃんと別れてから、綾ちゃんみたいな人とばかり付き合ってた。 今だって綾ちゃんはどの元カノよりも特別…。 綾ちゃんはどうだったんだろう。 ゆうちゃんと別れて間もないのに、他の人とホテルへ行ったと言っていた。 その後は外国へ行って東京へ行って、 マナちゃんのパパと出会った。 いろいろ経験してきた綾ちゃんにとっては ゆうちゃんってそれほどの存在ではないのかもしれない。 そう思いたかった。
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