眠れない夜

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翌朝、下へ降りると、やっぱり食器かごにお弁当箱が洗って置いてあった。 お弁当を作り、朝食を作る。 あれから一睡も出来なかった。 卵焼きを焦がしてしまって作り直した。 ゆうちゃんが起きてきた。 「おはよー。」 「おはよう。昨日はお疲れ様。」 笑顔で言った。 「花乃たち、変わりなかった?」 「うん。でも、洸太が寝る前にずーっと喋ってて、気づいたら私も寝ちゃってた。ゆうちゃんが帰ったのも気づかなかったくらい。お弁当箱洗ってくれてありがとう。」 「うん。」 朝食はフレンチトーストを作った。 甘いフレンチトースト。 今朝は気持ち悪かった。 自分で作ったのに。 ゆうちゃんが家を出る時間になっても私は敢えてバタバタと、忙しく家事をしていた。 「花乃、今日は見送りはいいよ。忙しそうだし。 いってきます。」 リビングで洸太を着替えさせていた私にゆうちゃんが言った。 「ごめんねー。いってらっしゃい。」 そう言ってすぐに洸太に向き直った。 私達は知ってた。 今日玄関へ2人で行っても、私達はキスができない。
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