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一旦家に帰って、家事をこなす。黙々とこなす。
お迎えの時間になり、幼稚園へ行って洸太を引き取ると実家へ連れて行った。
体調が悪いから洸太を預かってと頼むと週末なこともあり両親は快く引き受けてくれた。ばあば大好きな洸太はお泊まり出来て大喜びだった。
「それにしてもあなた、顔が真っ青よ。優太くんに家事はお願いして休ませてもらうのよ。」
お母さんに心配された。
家に帰り、料理をする。
何かしていないと落ち着かない。
作り置きが次々にできる。
シンクは大量の野菜の皮や空のトレイで埋め尽くされた。
ゆうちゃんが帰ってきた。
「ただいま。」
「おかえりー」
「あれ、洸太は?」
「実家で預かってもらってるの。」
料理する手を止めずに、あくまで普通に話す。
「そっか。」
お弁当箱を出しながらゆうちゃんが言った。
「でも急だね。そんなこと言ってた?」
ゆうちゃんと会話することに耐えられなくなり手を止めて、ゆうちゃんに向き直り訊いた。
「綾ちゃんと皐月が浜に行った?」
ゆうちゃんの表情が強張る。
「行ったの?」
もう一度訊くとゆうちゃんは諦めたように答えた。
「行った。」
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