過去の人

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翌朝、洸太を幼稚園へ送ると、何人かのママ達がチラチラとこちらを見ながら話していた。 『なんでも面白おかしく捉えて騒ぎたがる人も居るってこと。』 山部くんが車で言っていた言葉が頭の中で聞こえた。 本当に人って他人の不幸が好きなのね。 好奇の視線に晒されながら、それでも平静を装った。 そのうち山部くんの耳にも入ってしまうのかな。 いつも気にかけてくれる山部くん。ただでさえ忙しいのにこれ以上心配をかけたくなかった。 今朝は私からは離れた場所でやっぱり園長先生に何か言いつけられて作業しているみたいだった。 そのまま園を後にした。
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