皐月が浜

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花乃に電話した。 綾の隣でするのはなんとなく気まずくて席を立ってドアの近くで。通話口を手で覆った。電車だと気づかれないように。 「うん。わかった。じゃあ、先に休ませてもらうね。お仕事頑張って。」 電話から聞こえた花乃の声が妙に明るくて、気持ちを偽らせてると感じた。申し訳ない気持ちで花乃が電話を切るのを待ってから電話を切った。 席に戻ると綾が前を見たまま「ごめんね。」と言った。
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