皐月が浜

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海沿いのリゾートホテルに部屋が取れた。 閑散期で平日だったことが幸いした。 部屋はオーシャンビューでさっき見た海を大きな窓から見ることができた。 月明かりが部屋に差し込み灯りはいらなかった。 月光に青白く照らされた綾の身体見上げる。 目が離せなかった。 揺れる髪も、くびれた腰も、こぼれる吐息も、全てが完璧で、それなのに儚く見えて 繋げたままの身体を起こし抱きしめた。 最初で最後の時間が過ぎた。
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