皐月が浜

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一人でいても花乃のことしか考えられなかった。 花乃はオレより苦しい思いを抱えているはず。 でも帰っていいのかわからなかった。 オレが帰ることで花乃の心をまた掻き乱すことはしたくなかった。 考えても考えても答えは出ない。 ただ、一度はちゃんと謝りたいと思った。 許されなくていいから自分の過ちを認めて、花乃に謝りたかった。 意を決して家へ帰ると誰もいなかった。 洸太を迎えに行っているのかもと思った。 洸太がいる中では話をするのは厳しいと思い必要な物だけ持つとまた家を出た。 明日、洸太が幼稚園に行っている時間にしようと思った。
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