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「花乃子ちゃーんおはよー!」
高い声に振り返ると、ママ友の琴子さんが手を振って近づいてきた。
琴子さんは洸太と同い歳の男の子のママで、入園してすぐに仲良くなった。
もう1人小学1年生の息子さんがいて、先輩ママなので色々教えてくれて頼れる存在だ。
歳は私より5歳上だけど「年寄りに感じるから敬語や気遣いはやめて」と言われて本当に友達みたいに接している。
この琴子さんは、くじ引きで役員になった私と違って立候補で今年の役員になった。
「くじ引きでドキドキするより自分からなってしまえ!」という潔い理由だった。
役員はできればなりたくなかったけど仲のいい琴子さんが一緒なお陰で一気に楽しくなっていた。
琴子さんは、おしゃれで美人なので初めは近寄り難いと思ったけど、話してみるとサバサバしていて面倒見がよくて、私も洸太も大好きだった。
「琴子さん、おはよー!」
「もー。土曜日だからクセで寝坊したわー!」
早くも疲れた様子の琴子さんに思わず笑ってしまった。
「私も今来たとこなの。」
「こうちゃんはパパが見てくれてるの?」
「うん、今頃起きて朝ごはんじゃないかな。」
「うちは葵と上の子、ばあばに預けてきた。パジャマのまま朝食のパンと一緒に。」
大胆な琴子さんにまた笑った。
その後、保護者会の会長さんに、色々と指示を受けて夕涼み会の準備をした。
山部くんとは話せないままだった。
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