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私とは違う世界の人達だった。
私がゆうちゃんと結婚できたのは奇跡みたいなことだ。
あの前田くんが私の想いを受け入れてくれたなんて。
ゆうちゃんはこんな地味な私のどこを好きになってくれたんだろう…。
まったく理解できなくて、結婚前はそんなことをよく口にしていた。
その度にゆうちゃんは
「もー花乃は自分のことわかってないんだよ!
花乃、自分が気づいてないだけで結構モテてたんだよ?大学の時もかわいいって言ってるヤツいたし、
それに…。とにかく、花乃はオレの大事な彼女なんだから、その彼女のこと…、地味なんて悪く言わないでよ。」
そう言いながら照れたゆうちゃん。
いつも私を気遣ってくれて、優しい人。
ほんと、名前の通り。
でも、
もし……。
もし綾ちゃんと別れていなければ私は選ばれなかったよね。
その思いがずっと心に引っかかっていた。
こんなことをいつまでもグズグズと考えてしまう自分が疎ましかった。
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