不安

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熱にうなされ、夢を見た。 夢の中は高校時代の教室に戻っていた。 懐かしい制服姿のゆうちゃん。 その隣にはもちろん綾ちゃん。 楽しそうに喋る綾ちゃんの話を、優しく頷いてきいているゆうちゃん。 私は少し離れた席からその2人を見ていた。 良かった、良かった。 2人、よりを戻したんだね。 お似合いの2人。 私は応援しているよ。 応援できるよ。 2人とも好きだから。 なんて心の中で呟いてる。 それなのにうまく呼吸できない。 楽しそうな2人が霞む。 霞みながら、2人の影が近づくのが見えた。 キスするんだと思った。 苦しい。 苦しい。 息ができない。 離れて…。 離れてよ…! ゆうちゃんから離れてよっ!!! 自分のうめき声に目が覚めた。 かなり熱が上がっているのを感じた。 いつも横にいるはずのゆうちゃんと洸太がいなくて寂しさが募った。 そのまま、意識を失うように再び眠りについた。
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