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次に起きた時には窓の外は明るくなっていて、もう夜が明けているんだとわかった。
スマホに目をやると9時を過ぎていた。
全身に汗をかいてベトベトだった。
顔も汗なのか涙なのかぐちゃぐちゃ。
でも熱は下がったみたいで体は楽になっていた。
下へ降りると、もうカーテンが引かれて午前の日差しがリビングに明るく射し込んでいた。今まで暗い寝室にいたからとても眩しく感じた。
ゆうちゃんも洸太もいなかった。
キッチンへ行くと白いボールのお皿とメラミン製の洸太のお皿、スプーンが二つ洗われて食器かごに置いてあった。
ゆうちゃん達、朝はコーンフレークを食べたのね。
冷蔵庫にゆうちゃんのメモが貼ってあった。
『おはよう!
洸太と出かけてくるよ。鍋にお粥を作ったから食べられたら食べて
(底のほうは焦げてるかも!)』
メモの下のほうには洸太が描いた絵があった。最近ハマっているカブトムシだ。その横の頭にリボンのついた人はママを描いてくれたのかな?
2人がこのメモを書いてる姿を想像して思わず顔が綻ぶ。
昔は全く家事ができなかったゆうちゃん。
でも、洸太の妊娠中つわりがキツかった私のため家事を代わってくれて一生懸命覚えてくれた。
初めは洗剤と柔軟剤を間違えたり、料理も失敗したりしたけど、もともと要領のいいゆうちゃんはすぐに家事をこなせるようになった。
つわりは出産直前まで続いてそのせいで会社を休むことが多くなり、周りへの申し訳なさから凹む私に、会社を辞めていいよと言ってくれた。
「オレのために奥さんが家にいてくれるなんて最高だよ!仕事も頑張れるから。」
ゆうちゃんの言葉に甘えて、会社を辞めて主婦になった。
これ以上ゆうちゃんの優しさに甘えられないと家事は手を抜かずに頑張っている。
いつかの朝、フレンチトーストを焼いたら「フレンチトーストって家でも作れるんだ!うちはいつも朝は和食だったからなー」と喜んで食べてくれた。
それからは朝、フレンチトーストを焼くことが多い。
家族のため、仕事を頑張っているゆうちゃんにしてあげられることはなんでもしたいと思ってる。
ゆうちゃんが帰りたいと思える家庭でありたい。
仕事で疲れていても家ではリラックスして落ち着いてほしい…。
シャワーを浴びて汗を流すとお腹がすいてきた。
鍋のお粥はまだ温かかったのでお茶碗によそってそのまま食べた。
底の方は少し焦げていたけど許容範囲内。
相変わらずパーフェクトなゆうちゃんだと思った。
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