再会

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洸太がアイスを食べたいというので、公園を後にして 歩いてすぐのショッピングモールへ向かった。 洸太の手を引いて歩きながら、これからやることを考えた。 卵がなかったから買って帰ろう。 花乃にペットボトルも多めに買って…。 昼飯は何にしよう。カレーとかなら簡単だし洸太もよく食べてくれるけど、花乃はまだカレーなんて無理だろうな。 熱のときって何がいいんだろう…。 アイスを食べながら花乃に何が食べたいかメールしてみよう。 朝干した洗濯物、この日差しならすぐ乾きそうだ。 掃除機はうるさくて花乃が休めないから、フローリング用のワイパーをかければいいか。 家事をするのは割と好きだ。 次々と現れるタスクをゲーム感覚でこなしていく感じで楽しめる。 それでもたまにやるオレと、毎日やってる花乃とでは大変さがまるで違うんだろうけど…。 考えているうちにショッピングモールに着いた。 自動ドアが開くと心地よい冷気に包まれた。 「すずしーね!」 洸太も気持ちよさそうだ。 …と、何か見つけて急に駆け出した洸太を慌てて捕まえた。 「こら、お店の中で走っちゃダメだ!危ないだろ。」 「見て、あれライダーのお菓子!」 山と積まれたお菓子を指差した。 自分が好きなものはホントすぐ見つけるんだな。 思わず笑った。 最近は体も大きくなったし、生意気なことを言ってきて驚かされる。 普段あまり一緒にいられないけど、どんどん成長しているんだな…。と実感する。 オレには姉がいる。 口うるさくて、小さいもう1人の母さんみたいだったけど、子供の頃は外で一緒に遊んだり、親が仕事でいない時は一緒に留守番したり、いてくれて良かったと思えるから、洸太にもそんな存在を与えてやりたい。 2人目のことは気負いせずのんびり待とうと花乃と決めていた。 それでも洸太の成長を感じるたびについ、ここに、もう1人いたらなと考えてしまう。
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