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店に着くと色とりどりのアイスに洸太が目を輝かせた。
「どれにしよーかなぁ」
洸太がケースの中を見やすいように抱き抱えて一緒にアイスを選ぶ。
ふと視線を感じて顔を上げると若い女性店員がにこにこ笑ってこっちを見ていた。
「是非ご試食もどーぞ!気になるフレーバーがあったら言ってくださいね。」
お礼を言ってまたアイスを選び始める。
「あっ!あのみどりのやつ!ママが好きなやつだよ!」
洸太がメロン味のアイスを指差して言った。
「…!洸太ナイス!後で買って行ってあげよう。」
アイスなら熱があっても食べやすいよな。
なんで思いつかなかったんだろう。
アイスを選ぶとレジへ進んだ。
選んだアイスの上には一口大のアイスとスプーンが乗っていた。
「新作フレーバーです。美味しかったら次回どうぞ!」
またお礼を言って両手にアイスを受け取って席を探す。
ここはフードコート内だから椅子やテーブルは沢山あるのに、日曜なせいもあってか、ほとんどが埋まっていた。
すると、洸太が駆け出した。
「こら、だから走るなって!」
両手がアイスに塞がっているから今度は捕まえることができない。
「パパー!ここ空いてるよー!」
アイスを落とさないように気遣いながら洸太を追いかけた。
洸太が指差した空席の隣に
見覚えのある顔があった。
さっきの店のアイスを食べている。
ーーー綾だ。
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