佐伯綾

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教室に戻ると、真依子が鏡を覗き込んでリップを塗っていた。真依子に無言で抱きついた。 「うわっ!ちょっとリップはみ出したって!」 無視してぎゅーっと抱きついたまま離れなかった。 止まらないドキドキを自分1人ではどうすることも出来なかった。 言っちゃった。言っちゃった! 「あれぇ?綾、告ってきた?」 抱きついたままうんうんと頷く。 …真依子、恋愛関係はホントよく気づくな。 「えらいえらい!」 真依子に頭をポンポンされた。 午後の授業が始まると不安に襲われた。 これをきっかけに優太に避けられたらどうしよう。 すごい驚いた顔してた。 優しいから言わないだけで迷惑だったのかな? 授業が全然頭に入らない。 あっという間に午後の授業が終わってしまった。 帰り支度をしながら思った。 ーーー部活行きたくない。帰りたいな。 でも一日サボっただけで一気に記録に響く。 行こ…。 すると廊下から声がした 「綾!ちょっといい?」 優太だった。 そういえば優太が私の教室に来たのはこれが初めてかも。 教室内が私達を見てざわついた。 真依子が両手でグッドポーズをしていた。
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