佐伯綾

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キスされると幸せだった。 求められてる感じがして、側にいていいんだと思った。 家に居場所はないし、優太の隣だけが私の大切な居場所だった。 家に帰りたくなくて、駅まで送ってくれる優太を巻き込んで遠回りして帰った。 駅の前に公園があってそこでさらに喋って。 別れ際、寂しくていつもハグをねだった。 優太のハグは優しくて私を壊物みたいに扱う。 大切にされて嬉しいのにもっと強く、肌に跡が残るくらい強く抱きしめて欲しかった。 家に帰ってもその感覚を思い出せるように。
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