佐伯綾

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その日の帰りも駅まで送ってくれた。 公園でもう一度、優しいハグと優しいキス。 でも私は惨めでたまらなかった。 「また明日。」 そう言われて「うん」と答えて改札を通る。 後ろを振り向けば 優太が私に手を振ってくれていた。 こうやって何度見送られて帰ったのかな。 一度優太から見えなくなるとこまで歩いてから、こっそり戻ると帰って行く優太の後ろ姿が見えた。 そのまま帰るのが寂しくて、そうやってよく優太の後ろ姿を見送った。 暖かい家へ帰って行く優太が羨ましかった。 優太は私がこんなことしてるの知らない。 私が今どんな気持ちかも。 そんなの当たり前のことなのに、なんでわかってくれないのと思ってしまう。 優太のこと大好きだったから。
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