ツインズ・スワップ

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「ねぇ、ミキ。今日どう?」 「うん。いいよ。ミカ。いつからにする?」 「ママに呼ばれたら、スタートね」  双子のミカとミキは互いを見つめ合い、クスクスと笑みを交わした。  二人はとても仲が良く、いつだって一緒。毎朝、お揃いの服を着て、お揃いの髪型にする。一緒に歯を磨き、一緒にミルクを飲む。いつでも何でも一緒の二人。だから、周りの人たちは、なかなか二人を見分けるのが大変。それで、ついつい二人を纏めて呼んでしまう。  ママは、二人を纏めて呼ぶ。 「ミカ、ミキ。そろそろ出かける時間よ」  近所のおばさんたちも、いつも二人を纏めて呼ぶ。 「おはよう。ミカちゃん、ミキちゃん」  学校の先生たちも、二人を纏めて呼ぶ。 「ミカちゃん、ミキちゃん。今日も仲良しね」  そんな時、二人は手を繋いで、合わせたように頷いてみせる。すると、大人たちは、それだけで、可愛いと喜ぶのだ。  二人のシンクロぶりに、誰も二人を別々に見ようとしない。だから、いつからか二人は時々入れ替わってみる事にした。ミカがミキに。ミキがミカに。どっちがどっちでも、呼ばれるときは一緒なのだから、大したことじゃない。 「今日はいつまで気づかれずにいられるかな?」 「いつも、アッくんとイッくんにだけはバレちゃうんだよね」
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