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待ち合わせ場所に着くと、アッくんとイッくんは既に待っていた。
「おはよう」
「お待たせ」
二人がモジモジとしながら声をかければ、二人の男の子は、一瞬だけ目をまん丸に見開いた。あまり似ていない双子だが、この時の顔は、実にそっくりだった。
そんな男の子たちの反応に、ミカとミキは、さらにモジモジとする。
「何よ。別々の服で来いって言ったのは、あなたたちでしょ」
「そうよ。わたしたちだって違和感があって気になるのよ。あんまり見ないでちょうだい」
恥ずかしがるミカとミキの姿に、アッくんとイッくんはニヤリと笑う。
「ああ。ごめん。やっぱり、そっちの方が良いなと思ってさ」
「うん。二人とも良く似合っている。可愛いよ」
ママにも、近所のおばさんにも褒められたけれど、それ以上に、アッくんとイッくんの言葉は、二人をゆでだこにした。
「それで、今日は何をするの?」
「そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」
頬を紅潮させながらも、それを誤魔化すかのように、ミカとミキは声を張り上げた。テレを誤魔化すそんな二人をクスクスと笑いながら、アッくんとイッくんは頷いた。
「俺はクライミングに行く」
「僕は科学館に行く」
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