ツインズ・スワップ

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「あら。ごめんなさい。二人とも気をつけて行くのよ」  ママは、頬に手を当てて、あらっと首を傾げながら、二人の背中を押して送り出した。  ママはたまに双子を間違える。ただ今日は本当は合っていたのに、双子のいたずらに振り回されて、やっぱりちょっと混乱してしまったみたい。そんなママの姿に、二人はクスクスと笑い合う。 「大成功だね」 「だね。やっぱり私たちはそっくりなんだね」  学校へ着くと、先生や友だちが次々と声をかけてくる。 「おはよう。ミカちゃん、ミキちゃん。今日も仲良しね」 「おはようございまーす」  双子は声をあわせて元気にあいさつをする。 「ミカちゃん。ミキちゃん。おはよう! 宿題やった?」 「うん。やってきたよー」 「うん。もちろん」  双子はそれぞれに応えながら、ミカはミキの席へ、ミキはミカの席へ座ると、そそくさと荷物をしまう。  そのまま何気ない顔で、周りの友だちと会話をしているうちに、今日の授業が始まった。 「ミカさん。この問題は解りますか?」  先生に当てられたミキは、スラスラと問題を解いてみせる。 「ミキさん。次から読んでください」  先生に当てられたミカも、スラスラと教科書を読む。  誰も二人が入れ替わっていることを指摘しない。きっと誰も気づいていないのだろう。
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