ツインズ・スワップ

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 双子の男の子たちが指摘したように、ミカはいつも右側に、ミキはいつも左側にいた。ミキが左利きなのは、ミカと手が繋ぎやすいように、自然とそうなっただけで、実際には、ミカとミキは両利きである。お互いがお互いを真似るので、必然的にどちらの手も使うからだ。 「でも、残念だったわね。実は、わたしたちは両利きなの」 「だから、利き手だけでわたしたちを見分けているのだとしたら、半分当たりってところね」  ミカとミキは、すました顔でそんなことを言う。今回も、アッくんとイッくんに入れ替りを見抜かれたことが悔しいのかもしれない。ツンケンする二人の態度に、しかしアッくんは動じることもない。イッくんは少しハラハラとしたように、二人と自身の隣に座るアッくんを見比べている。 「別に俺たち、利き手だけでお前たちを見分けているわけじゃないぞ」  同時にカレーライスを食べ終わり、ゼリーへと手を伸ばしていた二人は、アッくんの言葉に、思わず動きを止めた。 「じゃあ、どこでわたしたちを見分けているの?」 「好みのゼリーで、なんて答えはダメよ」  二人としても是非とも知りたい答えだった。どうして、この双子の男の子たちだけが自分たちを見分けることが出来るのか。
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