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「う~ん。じゃあさ、それを教える代わりに、明日、俺らに付き合ってよ」
アッくんの言葉に、ミカとミキは、互いに視線を交わす。
明日は、土曜で学校は休み。特に予定もなく、二人は家で過ごすつもりでいたので、アッくんの申し出を断る理由もない。そこで、二人同時にコクリと頷き、了承の意を示した。
「じゃあさ、二人にお願いがあるんだけど……」
二人が了解したことを見届けてから、今度は、イッくんが小さく手をあげて、注意を引いた。二人がイッくんの方へ顔を向ける。
「お願い?」
「何?」
勢い任せのアッくんと、冷静に話をするイッくん。今は、イッくんに任せた方が良いと判断したのか、アッくんは、特に口を挟むこともなく、素知らぬ顔でジュースを啜っている。
「きみたちはいつもお揃いの格好をしていて、とても可愛らしいのだけど、明日は、敢えて格好を揃えないで来てほしいんだ」
「どういうこと?」
「何でお揃いじゃいけないの?」
イッくんの提案に、ミカとミキは、不思議そうに揃って首を傾げた。
「それは、明日、きみたちが目一杯に楽しむためだよ。だから、明日は必ず、服を揃えないで来てね」
イッくんの言葉に、よく分からないまま、二人は渋々頷いた。
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