ツインズ・スワップ

8/16
前へ
/16ページ
次へ
「う~ん。じゃあさ、それを教える代わりに、明日、俺らに付き合ってよ」  アッくんの言葉に、ミカとミキは、互いに視線を交わす。  明日は、土曜で学校は休み。特に予定もなく、二人は家で過ごすつもりでいたので、アッくんの申し出を断る理由もない。そこで、二人同時にコクリと頷き、了承の意を示した。 「じゃあさ、二人にお願いがあるんだけど……」  二人が了解したことを見届けてから、今度は、イッくんが小さく手をあげて、注意を引いた。二人がイッくんの方へ顔を向ける。 「お願い?」 「何?」  勢い任せのアッくんと、冷静に話をするイッくん。今は、イッくんに任せた方が良いと判断したのか、アッくんは、特に口を挟むこともなく、素知らぬ顔でジュースを啜っている。 「きみたちはいつもお揃いの格好をしていて、とても可愛らしいのだけど、明日は、敢えて格好を揃えないで来てほしいんだ」 「どういうこと?」 「何でお揃いじゃいけないの?」  イッくんの提案に、ミカとミキは、不思議そうに揃って首を傾げた。 「それは、明日、きみたちが目一杯に楽しむためだよ。だから、明日は必ず、服を揃えないで来てね」  イッくんの言葉に、よく分からないまま、二人は渋々頷いた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加