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アドバイス
さて、彼女を作ると決めたのは良いが、どうすればいいのか解らない。ここは、経験者に聞くのが一番だとの考えに至った。
「おい君島……」
「なんだカス?」因みにカスとは俺のあだ名である。霞原からカス、最初は抵抗があったが慣れると気にならないものである。
「なあ……、彼女ってどうやって作るんだ?」素朴な疑問。
「なんだ、俺の可愛い彼女を見て、お前も欲しくなったのか?」少し鼻は上に向いてるけどね。
「まあ、そんなところだ」
「そうだな……、まず、お前は好きな子とかいるのか?」少し偉そうに腕組みをしている。なんだか鼻につくのは気のせいか。
「好きな子か……、居ない」それは思いも寄らなかった。
「お前、結構モテるのに……」君島は深いため息をついた。
「またまた、そんなつまらない冗談いらないっての」こんな時にくだらない事をいう奴だと軽蔑の眼で見つめた。
「まず好きなヤツを見つけろよ。話はそれからだ」なんだか上から目線なのが気になるが、もっともだと納得する。
「どこで見つければ良いんだよ」全く解らなかった。紹介会社でも登録すればいいのか。まあ、高校生がそんな事が無理な事は重々承知である。
「そんなの、どこでもいいんだよ。クラスでもいいし、なんならナンパでもいいし、自分のタイプの子を見つけろよ」
「うーん……」
「あっ、俺の彼女は駄目だからな」
「鼻が上に向いてるのは、ちょっとな……」俺は多分、面喰いだと思う。
「はあ?」ちょっと不機嫌そうな顔をする。
「いいや、何でも無い」俺は言葉を濁した。
「そうだな……、あの久保なんかいいんじゃないか。俺の彼女の次位に可愛いしな」なんだかデレッとした顔をしている。
「そんなに不細工なのか……」
「何?」君島は、ムッとした顔をした。
「いいや、別に……」一応、誤魔化してみた。
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