ため息

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ため息

「ちょっと、聞いた?」女子達が小声で話す。どうやら、昨日の件が原因のようであった。 「カス……、マジで久保を振ったのか?」君原が小さな声で聞いてきた。 「振った?俺は少し考えさせてくれって言っただけだ」 「お前な……、自分から告白しといて、それはあんまりだろ!」軽く軽蔑の眼差しを浴びせられた。 「うーん、俺も……、まさかOKされるとは思って無かったから……」そう、そんなに簡単に了承されるとは思っていなかったのだ。 「それでも……、おい」君原が目配せした先に久保の姿。今、登校してきたようである。 「お、おはよう」女子達が気を遣っているようであった。 「おはよう!」まるで反比例するように久保はいつも以上の元気な表情であった。少し俺の顔を一瞬見たかと思うと、フンと鼻を鳴らして向こう側に顔を背けた。 「お前な、忠告しておくけど、間違いなくクラス中の女子を敵に回したからな!」君原はそう言い残すと、俺から離れていった。 「はあ……」また幸せが逃げていく。
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