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「翔真君行こう! 」
花蓮は夏祭りの会場の方向を指差しながらそう言った。
水色の生地に花柄の模様が入った浴衣を花蓮は着ていたのに対して俺はいつもより少しオシャレな私服だった。
俺はこんなにも水色の浴衣が似合う人はいないと思っている。
「どしたの?もしかして私浴衣似合ってない? 」
「そ、そんなわけないじゃん! めっちゃ似合ってるよ!マジで」
目が合って思わず夕方の空を見上げながら言ってしまった。
女の子浴衣姿一つ褒められない俺が今日この花火大会で告白なんて出来るのか不安でしかない。
神社までの道のりにはたくさんの屋台が出ていて、少しチャラめのおじさん達はすでに酔っ払っていた。
唐揚げや焼きそばと言った定番から今年の流行りの物まで色々な屋台が出店していた。
「翔真君、私あれ食べたい! 」
花蓮が食べたいと指差した屋台は綿菓子屋さんだった。
この綿菓子屋は他の唐揚げや焼きそばなどと言った屋台に比べて並んでいる人が少ないからすぐに買うことが出来た。
花蓮は美味しそうに綿菓子を食べながら俺に「何か食べないの? 」と聞いてくれたので、俺は少し前から気になっていたりんご飴を買うことにした。
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