アンジェラ

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アンジェラ

 やっとボクにもオカルト現象の謎が解けた。 「わかったよ。この部屋はこっち側に傾いているんだ」  ボクは壁の方を指差した。  どうりで目眩や吐き気がすると思った。 「フフゥン、やっとポチも気づいたようね」  依然としてアンジェラは笑みを浮かべ(うなず)いた。 「なるほど目眩の原因は部屋が、ちょっとだけ傾いているからなのね」  リオも納得したように微笑んだ。 「ええェ、目眩や身体が不調なのは、部屋が傾いている所為(せい)なの。事故物件やオカルト現象とは関係ないのよ」  アンジェラは肩をすくめ苦笑した。 「そうか。だから部屋に上がった途端、なにか違和感があったんだ」  玄関から入いるとすぐに気分が悪くなった。 「そうよ。敏感な人ほど、ほんの少し傾いているだけでも頭痛や目眩や吐き気がすると言われるわ」 「わかった。ありがとうアンジェラ」  リオは美少女をハグをして頬に『チュッチュッ』とキスをした。  少し迷惑そうにアンジェラは苦笑いを浮かべた。 「フフ……、他にも身体の不調を訴える原因としては電磁波だったり、塗料に含まれるホルムアルデヒドなどシックハウス症候群の疑いもあるわ」  美少女はキスされながら事細かに説明した。 「なるほど、幽霊の正体見たり()尾花(おばな)ってところか」  さすがデカ天使アンジェラだ。  この部屋へ入った瞬間に原因を突き止めたみたいだ。  こうして事故物件の謎はあっさり解決した。  翌日、リオは部屋を引き払いボクの部屋へ転がり込んだ。  彼女が新しい転居先が見つかるまでの間、ボクとルームシェアすることになった。  ボクにとっては、なんとも嬉しい誤算だ。  
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