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第二性がオメガの宇実は、見た目が中性的だ。
低い背丈に、華奢な体つき。
白い肌に、淡い色の髪。
そして、整った顔立ちをしていた。
そんな彼を餌食にする、汚れた大人は大勢いた。
黙っていると、痴漢はさらに大胆になってくる。
とうとうその手が、宇実の体の前に伸びて来た。
(嫌だ!)
そう思って目を固くつむった途端、手が急に離れた。
それと同時に、低い、だがハッキリとした声が耳に届いた。
「無抵抗の人間に痴漢など。卑劣な!」
は、と声の方を見ると、そこには背の高い男子生徒が立っていた。
少しウェーブの癖がある、黒い髪。
真っ直ぐな眼差しに、高い鼻梁。
薄く引き締まった唇は、怒りをあらわにしている。
そして。
(僕と同じ制服!?)
彼は、宇実と同じ高校の生徒らしかった。
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