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第一区に入れない以上、ひとまず野良の住処で情報収集につとめよう、そう言い出したヨシュアは、ウィリアムが目を離した隙に早速野良に絡まれていた。
「なんでそんなすぐ絡まれんの?」
「不思議だよな」
体格のよい男3人に囲まれている隙間から会話をする。
そこから見えた彼は、顔に軽い傷ができていた。
「あ?何だよ兄ちゃん、コイツと知り合いか?」
「オメェ等、昼間スー達とやり合ってた奴らじゃねぇか!
丁度いい、アイツに恩でも売るかね!」
3人はナイフを持ってウィリアムに襲いかかる。
しかし、彼は相手の顎や目などの急所を狙いつつ、軽々と倒した。
呻いている野良をよそに、事もなげに会話を続ける。
「そのグラサンが怪しいんだよ多分。取れば?」
「や、これは、眩しいからつけてる」
「は?夜もつけてんじゃん」
撤退しようとする2人に声が掛かる。
「まって!!その人はオレを助けてくれたんだ」
「なにかさせてくれよ!借りを作ったままなんて、オレ嫌だし」
「借りって……気にすんなよ、ガキ助けんのは普通だろ」
「そうだぞ、すぐ終わったし……いて」
「お前は後先考えろ」
「でも、でも!アンタら寝る場所とかどうすんだ?まさかその辺で寝る気じゃないだろ」
「「……」」
二人は顔を見合わせた。
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