3話

3/4
前へ
/15ページ
次へ
第一区に入れない以上、ひとまず野良の住処で情報収集につとめよう、そう言い出したヨシュアは、ウィリアムが目を離した隙に早速野良に絡まれていた。 「なんでそんなすぐ絡まれんの?」 「不思議だよな」 体格のよい男3人に囲まれている隙間から会話をする。 そこから見えた彼は、顔に軽い傷ができていた。 「あ?何だよ兄ちゃん、コイツと知り合いか?」 「オメェ等、昼間スー達とやり合ってた奴らじゃねぇか! 丁度いい、アイツに恩でも売るかね!」 3人はナイフを持ってウィリアムに襲いかかる。 しかし、彼は相手の顎や目などの急所を狙いつつ、軽々と倒した。 呻いている野良をよそに、事もなげに会話を続ける。 「そのグラサンが怪しいんだよ多分。取れば?」 「や、これは、眩しいからつけてる」 「は?夜もつけてんじゃん」 撤退しようとする2人に声が掛かる。 「まって!!その人はオレを助けてくれたんだ」 「なにかさせてくれよ!借りを作ったままなんて、オレ嫌だし」 「借りって……気にすんなよ、ガキ助けんのは普通だろ」 「そうだぞ、すぐ終わったし……いて」 「お前は後先考えろ」 「でも、でも!アンタら寝る場所とかどうすんだ?まさかその辺で寝る気じゃないだろ」 「「……」」 二人は顔を見合わせた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加