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第一区以外は、夜を迎えても明かりが消えることはない。
野良の住処も同様だ。強い風が吹けば飛びそうな、簡易な作りの家を、転々とした不揃いの明かりが照らす。
その影に隠れるように数人の男女が集まっていた。
「リーが殺されたって。え、嘘でしょ……?」
「昼間の小競り合いで、外の奴等と揉めたときに、うっかり第一区の敷地に入っちまったらしい」
「すまねぇ、俺がいながら……」
1人の男はフードの女に頭を下げる。しかし彼女はそれに反応することはなく、夜に沈んだ街を睨めつけた。
「同じ野良だった癖に、調子に乗りやがって……!お前が大事にしてるもの、全部壊してやる……!」
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