3話

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「なにが話が通じる相手だよ、駄目そうじゃねぇか」 あの後、ウィリアムや野良たちは争いをやめ、一目散に逃げた。 未だ野良の住処にはいるものの、先程の事件もあってか野良はこちらに構っている場合ではなさそうだった。 街の隅に隠れ、ウィリアムとヨシュアは現状把握に努めていた。 「……どうやら俺がいた頃とではボスが違うらしい。オマケにルールとペナルティも違う」  「ルールとペナルティ?」 「あぁ。この街では各区ごとに独自の『ルール』と『ペナルティ』がある。先程の一区だと『争い事を持ち込まないこと』でペナルティが『今後区への立ち入りを禁ずる』だったんだが……」 「死刑がペナルティに変わってるってとこか……」 「てかアレがボスなのか、まだガキの女だろ」 「子供は珍しいが、第一区じゃあり得る話だな。あそこは高齢者や女性、子供が多い。強ければ、女性でも区の代表になり得るだろうさ」 「ここからどうする?第一区以外に話は通じるのか?」 「正直、第一区以外にあり得ない、というレベルで曲者揃いだしな……それに、他の区の代表が変わっていたとしても、話が通じるヤツだとは思えない」 「おいおい、来て早々詰みかよ……」 大きくため息をつくウィリアムに、ヨシュアは申し訳無さそうに目をそらしたように見えた。
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