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高畑はじっとペンを回しそれを見つめながら考えていた。
《なんつーか…。嫌な感じがすんだよな。…俺のこーいう予感は割と当たるんだよな。いつもの帰り道なのに…事故が遭ったり、大雨に降られたり…。こういう予感は…。
そうじゃなくても…出来すぎてんだよな。わけのわからない言い伝えじゃない。事実確認でここまでのストーリーが仕上がるのは珍しいし。》
「高畑さん!」
「ん、成美さん、どうした?」
「私もこの件は気になるので調べてみたいんです。」
「お、珍しくやる気だね。」
「…それは高畑さんがですよね?」
「ん、鋭い。…なんか嫌感じしない?この事件。」
高畑の言葉に成美もうなずく。
「まあ、『なんか』という曖昧さは捨てましょう。でも奇妙ですよね。改装のタイミングで建屋を残した。その時点では3代目の遊矢さんを止めるものは居ないはずです。つまり残したい理由があった。」
「事件も結構鮮明なんだよね。目撃者もあるし。」
「調べましょう。なくなる遥斗君や他の人のためにも。」
「…そうだな。」
「…高畑さん。」
「ん?」
「髭そってありますね、そのまましっかりしててください。」
「はいはい。とにかく3代目と話せるように。それから白崎さんの奥さん、鈴野さん?とかにも話を聞かないとね。」
「わかりました!」
高畑と成美は珍しく歩調を合わせて仕事に取り組んでいく。
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