第2話

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 なのに、今日も間中くんはしつこい。朝、玄関で内履きに履きかえていると「佐島ぁ」とどこからともなく現れる。 「無理」 「なんでだよー?」 「なんでも。無理なものは無理」  同じように内履きに履き替えていた子たちが「なにあれ」って感じでこっちを見ている。  ああ、いたたまれない。  こういうの、ほんとやめてほしい。  最近では、クラスメイトたち好奇の目を向けられているくらいだし。  なので、今日こそこの状況を変えると決めた。 「昼休み、ここに来て」  渡したのは、「ひみつの場所」への地図。 「……これ、どこ?」 「来ればわかる。この場所、ひみつだから絶対誰にも教えないで」 「えっ、佐島のひみつ基地ってこと!?」  すげーやべーかっこいい!  無邪気にはしゃぎだした間中くんにめまいを覚えたけど、ここは我慢。誰かに聞かれないように、早く会話を切りあげないと。 「いい、わかった? 給食が終わったらここに来て」 「おう」 「絶対、誰にも内緒だからね?」 「おう!」  間中くんは飛び跳ねるような足取りで、先に教室に行ってしまった。  なんだかワクワクしているみたいだけど、あいにく彼の期待には応えられない。 (今日こそはっきり断ろう)  それで、こんなふうなつきまといをきっぱりやめてもらうんだ。
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