第3話

5/14
前へ
/74ページ
次へ
 そんなこんなで、翌日の昼休み。 「もう……なんで作戦のことをバラしちゃうかなぁ!」 「……ごめん」 「言ったらダメだよ。特に坂田くんには絶対にダメ!」  あの人、女子の間でなんて呼ばれているか知ってる? 「迷惑スピーカー」だよ? 何かあるとすぐに「みんな聞いてー」って言いふらすから。 「けど、もうバレちまったし……やっぱ無理だよ。俺、皆とおしゃべりするの好きだし、黙ってるとすぐに『へん』って言われるし」 「じゃあ、結麻ちゃんのことあきらめるの? クール系男子になれなくてもいいの?」 「そうじゃねぇけど……」  間中くんは、しょんぼりと背中を丸めてしまった。私よりも図体がでかいくせに、今の彼は小さな男の子みたいだ。 「わかった。なにか他の方法がないか考えてみる」 「……ほんと?」 「いちおうね」  でも、自信はない。こんな「しゃべるの大好き」な男の子を「クール系男子」に仕立てるなんて。 (やっぱり無理があるのかな)  間中くんにはできないのかな。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加