優しい姉

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週末土曜日は高校の授業はなくて普通なら朝から部活があるけれど、この日は部活を休んで姉が入院した病院に行くことにした。 病室に入ると少しやつれたような顔の姉がベットに横になっていた。 「お姉ちゃん、大丈夫?」 私が心配して姉に言葉をかけると姉は、 「うん、大丈夫だよ!  今は何ともないんだけれどね…  でも当面入院になるらしいの…」 と教えてくれた。 そんな姉の顔を見て、私は悲しみをこらえきれずに目から涙がこぼれ落ちてしまった。 「澪那、何であなたが泣くの?」 姉が心配して私に言葉をかけてくれたので私は、 「だって、お姉ちゃんは全国高等学校バドミントン選手権大会の全国大会で優勝することが夢だったのに、出場すらできなくなっちゃったから私も悲しくて…」 と正直な気持ちを伝えると姉が、 「まぁ、これも運命なのかな…  しかたないよね!」 と少し諦めたような口調で話してくれた。 その時の姉の顔は、悔しさがにじみ出ていたように私は感じた。 この日から私は、できる限り姉が入院している病院に足を運んで、学校や部活であったできごとを報告するようになった。 7月下旬に全国高等学校バドミントン選手権大会の静岡県予選があり、私の高校は姉が出場できなかったことが大きく響いて予選敗退となった。 私は部活で姉が大会に出場できない悔しい思いをバドミントンのラケットにぶつけるようになっていて、今までになく練習に集中するようになった。 そのかいあってか、私のバドミントンのテクニックは飛躍的に向上して、部活内の部員同士の練習試合で負けることがなく他校との練習試合でも負けることがないほどの実力を身に付けていった。
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